Anand Grover氏の「健康に対する権利」国連特別報告(2.may.2013)


Report of the Special Rapporteur on the right of everyone to the enjoyment of the highest attainable standard of physical and mental health,  Anand Grover

Advance Unedited Version – English
http://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/HRCouncil/RegularSession/Session23/A-HRC-23-41-Add3_en.pdf
A-HRC-23-41-Add3_en.pdf 直
 日本語仮訳
http://hrn.or.jp/activity/srag.pdf
srag-japanese 仮訳.pdf 直


これは、日本の権力者とその宣伝機関にすぎなくなったマスコミにとって、衝撃的な報告書のはずである。

福島原発事故から2年以上が過ぎた。その間、日本国内では非常識極まりない「空気」が支配していた。「放射能は怖くない」、「風評被害のほうが怖い」、「年間20mSvは問題ない」など、戦前・戦中と同様なファッショ的な「空気」がまかり通って、その空気の中で人々は「放射能」をあまり気に留めなくなっていた。

そのような中で「オリンピックの東京開催」運動が、熱を帯びていた。実際には猪瀬都知事の「失言」で可能性は限りなく小さくなった。だが、元より「東京開催」など国際的常識から不可能なのだ。放射能まみれの日本で、それも福島原発から200km程度しか離れていない東京での開催を望むはずがない。現在、チェルノブイリの周辺でどのようなことが進行しているかを知れば、東京を避けるのは当然である。国内のおかしな「空気」に侵された日本人だけが、チェルノブイリの現実を知らないのである。

国内のファッショ的な「空気」は手がつけられない状態だ。武田邦彦中京大学)氏の果敢な抵抗にはどれだけ賛辞を送ってもし足りないが、彼の努力でもこの「空気」を止められない。

だが、今回の国連報告は、この「空気」を覆すきっかけになるかもしれない。結局、日本では「外圧」「黒船」がすべてのきっかけを作るのである。

「なさけない」と嘆くのは簡単だ。しかし、反原発を訴える市民は、この外圧を全力で後押ししなければならない。今度は、昨年の「アジサイ革命」のようにはいかないだろう。去年の原発再稼働反対運動は、電力会社と野田首相を攻撃すればよかった。今度は、権力構造、産業界、マスコミ、さらに市民と闘わねばならないだろう。矛先が、自分たちにも突きつけられる、しんどい戦いになるはずだ。

この報告書に対して権力、マスコミは、今は無視を決め込んでいるようだが、そうもいかなくなるだろう。当然何らかの手を打ってくるはずだ。まづどう出てくるか、をじっくり見極める必要がある。さらに反原発市民運動サイドは、その旗を何にするかも熟考する必要がある。「人権」を前面に押し立てるのでは、現在の日本人にはインパクトがない。なぜなら、左翼反体制派がこの「人権」を内実をあまり伴わないまま使いすぎたからだ。つまり、色あせてしまっているし、元来「人権」を言あげする市民層が本当に育っているともいえない。

では何を旗印にすべきかを、次に考えていきたい。


以下、闘いの先頭に立っている武田邦彦氏の、直截的なコメントを引用する。

【最重要】早急に日本政府は日本国民を守れ!

「tdyno.254-(8:40).mp3」をダウンロード
2012年11月に日本を調査した国連特別報告者アナンド・グローバー氏が国連人権理事会へだした報告書の暫定版が公開された。長い報告だが、まずは緊急性を要するところだけ。

「1mSv以上の地域に居住する人々に対し、健康管理調査を実施すること」
「避難地域・公衆の被ばく限度に関する国としての計画を、科学的な証拠に基づき、リスク対経済効果の立場ではなく、人権に基礎をおいて策定し、公衆の被ばくを年間1mSv以下に低減するようにすること」
「年間1mSv以下の放射線レベルに下げるよう、時間目標を明確に定めた計画を早急に策定すること」

福島県の約3分の1、茨城県北部、千葉県柏市周辺、東京都江戸川区周辺がこれに当たる。

まず、これまで「1年1ミリシーベルト」を否定してきた自治体、週刊新潮、専門家は辞職、廃刊、引退をしなければならない。日本の法律と国際協定に明らかに反した言動は、具体的な行為で贖わなければならない。絶対にごまかさず、武士らしく自らの罪を償え!子どもは被曝したのだから!!

原子力規制庁委員も含めて関係者は早急に辞職せよ! 政府は至急、被曝線量を計算して日本国民の健康を守らなければ、日本政府、霞ヶ関の中央官庁が自ら解体するか、検察庁が幹部を逮捕するべきである。
(平成25年5月26日)

武田邦彦





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