危うし! 国内の「再稼働反対」運動

現時点で、日本の全ての原発は停止している。都知事選の時、小泉元首相は細川候補の応援演説で必ずこの話を持ち出し、「再稼働しなくても、やれているじゃーないですか!」、と続けた。確かに、先進国ではまれな事態だ。しかし、これは福島第一原発事故による当然の帰結であり、当たり前のことだ。

ところが、今の政治状況は、その真逆を行っていて、それを止めることもできない。つまり、いかに早く原発を再稼働させるかを目指しているのである。稼働原発を停止させる方向にかじを取ることはあっても、その再稼働に突き進むというのは、これまた先進国の中では、異例中の異例なのだ。日本では、国際動向、国民世論に背を向けた大きな力が働いていて、それを止められない。

それは、「原子力ムラ」という力だろう、これは一種のお化けで、殺すあるいは根絶する方法が見つからない。一体だれを殺せばその力がなくなるのだろうか? もちろん、日本の政治家がそれをコントロールできるとも思えない。民主党政権下でも、「原子力ムラ」のベクトルの沿って再稼働の方向だったし、自民党安倍政権では、2倍ベクトルで再稼働を進めようとしている。

事実、その動きは抵抗不可能な様相を帯びてきた。最近のニュースによれば、原子力規制委員会は、原子炉の「安全審査」を行うが、再稼働するかどうかは、政治決断だとして、突き放した。さらに、昨日、政府の発表によれば、再稼働するかどうかに関わる安全性の判断に、地元自治体の防災計画が求める安全性は含めないで、政府が政治決断すると言い放った。

つまり、再稼働するかどうかは、安倍首相の一存で決まるということであり、彼の再稼働の意思はとても強固だ。これは、憲法解釈改憲の彼の態度と同じだ。さらに言えば、要の原子力規制委員会の独立性・公正性も近い将来どうなるか解らない。意に沿わない「安全審査」結果を出した場合、安倍政権はこの委員会にも手を出してくるだろう。

原発技術の輸出にまで積極的な安倍強権政権である。輸出先の国から大きな反発を招いているが、知らないふりをしている。国内の原発再稼働は、まさになりふり構わない強権ぶりであり、刻一刻とその思惑は成功しているようにみえる。これを阻止できる有力な政治勢力がない、まさに悲劇的な状況だ。反原発を叫ぶリベラルな市民は、腹をくくらないといけない。血を見る覚悟をするか、しっぽを巻いて逃げるか?(でも、逃げ切れるのか...)



IWJ Independent Web Journal 2014/02/12

「再稼働の判断に私達は関与しない」〜原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見

 2014年2月12日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。「再稼働するかどうかは、社会、国民、政治の判断になる。そこに規制委は関与しない」との考えを示した。

審査の今後はパブコメ
 今後の審査の進め方について、田中委員長は、審査の途中で国民への説明責任としてパブコメ公聴会などを行い、意見を汲んで最終的な判断をしなければいけないとの考えを示した。ただし、具体的な実施まではまだ考えておらず、他の委員の意見を聞くことや、方法を検討する段階にあるという。

審査の終了は
 新規制基準の適合性審査の今後の見通しについて、年度内には終了しないだろうとの考えを示した。

福島第一のストロンチウム90測定誤りについて
 東京電力が、福島第一原発の護岸エリアの地下水観測用井戸で、去年の夏に500万Bq/Lのストロンチウム90を観測していたことについて、測定機の数え落としにより、正確な測定ができていなかったことが、先週から今週にかけての東電会見で判明した。
 これに関し田中委員長は、「測定間違いはあってはいけないことではあるが、間違っているので、再度確認することをしていることは仕方ないと思う」としながらも、東電は線量率をベクレルと言ったり、基本的な測定知識が欠けてると苦言。規制委として、できるだけ東電を指導、監督を強めていくと述べた。

新エネルギー基本計画について
 エネルギー基本計画の原案に「規制委員会で安全が確認された原発は再稼働する」との表記がある。この表現についての考えを記者が質問した。
 田中委員長は、「規制委は”絶対に安全”とは言っていない」と答え、新規制の適合審査の後、「再稼働するかどうかは、社会、国民、政治の判断になる。私達(規制委)はそこには関与しない」との考えを示した。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/124874

東京新聞 2014年2月22日 朝刊

再稼働判断 自治体を軽視 防災計画、審査に「含まず」

 政府は二十一日、原発の再稼働に向けて原子力規制委員会が進めている安全審査と、原発から三十キロ圏内の地方自治体が原発事故に備えて定める地域防災計画は無関係とする答弁書を決定した。安倍晋三首相は規制委が安全と判断した原発から順次再稼働する方針で、地元の自治体を軽視する姿勢が浮き彫りになった。

 民主党菅直人元首相の質問主意書に対する答弁書衆院事務局によると、首相経験者が質問主意書を提出するのは初めて。答弁書は安全審査と地域防災計画の関係に関し「(安全審査のための)新規制基準には防災計画にかかる事項は含まれていない」と説明している。

 安倍首相は「世界最高水準の規制基準で安全性が確認された原発は再稼働する」と方針を示している。答弁書によれば、「安全性」に自治体の防災計画は含まれないことになる。

 地元自治体が防災計画をつくろうとした結果、住民の安全な避難や近い将来の帰還が困難と判断した場合でも、規制委の安全審査を通れば再稼働できるかどうかとの菅氏の質問に対しては、答弁書は「防災計画は都道府県および市町村において作成等がなされる」「政府は同計画の作成の支援等を行っている」と、事実上「ゼロ回答」だった。

 菅氏は取材に「首相の言葉は『安全性』に住民の安全も含まれていると国民をミスリード(誤った方向へ誘導)している。それが答弁書で明確になった」と話した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014022202000135.html

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