福島・フレコンバッグ詰め「汚染土」の現状

福島第一原発の1,2,3号機事故は、膨大な放射性物質のチリをまき散らした。その最終的な浄化には、地球史的な時間を要することは、明らかである。つまり、高濃度の放射性物質のほとんどが、最終的には太平洋に流れ出て、そこで希釈化される以外に方法はない。

しかし、現在の人間の居住地域については、家屋などの放射性物質を大地に洗い落とし、さらに大地の表土をけずりとる事によって線量を少しでも減少させようという試みが実行された。いわゆる「除染作業」である。この対処療法は、実施に移されるのに時間がかかった。それだけでも、効果が疑問視されたのであった。さらに、この方法は、致命的欠陥を持っているのである。広大な面積を有する山林の「除染作業」が不可能なのである。したがって、市街地の主要部分、道路の除染を繰り返して、現在、作業はほぼ終了してしまった。

事故を起こした原発からは相変わらず放射性物質は放出されているし、これから、山林に降り積もった分が流れ出てくるだろう。したがって、これから、また、市街地の線量は上昇に転ずるはずである。つまり、「除染作業」は、効果のない作業であったことになる。しかし、我が国の行政の常として、膨大な復興資金(税金)を費やしたことに意義を見出す人々がいる、彼らにとって、もとより、事業の費用対効果などどうでもいいのである。税金をできるだけ多く使い、事業を遂行することが重要だったのである。

この除染作業は、当たり前のことであるが、厄介な問題を残した。つまり、これも膨大な量にのぼる「汚染土」の後始末の問題である。除染によってかき集められた「汚染土」は、フレコンバッグと呼ばれる通常のゴミ袋よりちょっと厚目のビニール袋に入れての野積みされているのだ。野積みにされて、すでに2年以上になるので、ビニール袋が壊れ始めたものもある。

そこで、考えだされたのが「中間貯蔵施設」という名の「汚染土」のゴミ捨て場の建設である。汚染土を地中に多少の障壁を作って埋めようというのであるが、それは表土よりちょっと深いところで放射性物質を拡散させることになるだろう。そして、それらは、地下水系を通って、やはり太平洋に流出する以外にない。しかし、これも巨額の資金を投じて実行されるに違いない。何分、これも、我が国の国家行政行為だから、効果は二の次なのである。

将来のことはさておき、以下2つほど、野積みの「汚染土」現状を見ておこう。


大熊町
20140828214344

筆者が、2014年5月撮影。所在地は、第一原発の事故収拾作業員の宿舎近辺。原発から5km以内にある。手に触って確かめたわけではないが、ここでは、フレコンパックもまだしっかりしているようにみえる。


飯舘村
20140828214020

小澤 祥司 on Twitterより借用。小澤 祥司 氏が、2014年8月に撮影したもの。所在地は不明。夏のせいか、多量の雑草がフレコンパックから生え出ている。汚染土の中の種子または宿根が伸びてきているのだろうが、ビニール袋を破壊しているのは明らかだ。よく見ると、路傍の雑草よりこちらの方が成長力がありそうだ。これは、何を物語っているのだろうか。解明する必要があるようだ。

飯舘村内の除染土仮置き場。フレコンバッグに生えた雑草がはんぱない。」より
https://twitter.com/ozawashoji/status/503783771519217664



追記:
livedor News の下記のニュースも参照することを勧めます。
「汚染土入りの“除染袋”が次々と破れ始めている?」(2014年07月03日)
http://news.livedoor.com/article/detail/9003160/






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