アフガニスタンが今や「一帯一路」対「インド太平洋」の焦点になっている

近日アフガニスタンの高官が日本を訪問した。産経新聞が彼にインタビューをしている。以下はその記事である。


「アフガン含む回廊をインド太平洋戦略に」 アフガン外務副大臣インタビュー

 訪日中のアフガニスタンのナシル・アハマド・アンディシャ外務副大臣が1日、都内のアフガン大使館で産経新聞のインタビューに応じ、アフガンからイラン南東部チャバハル港までの回廊開発を日米印が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」に組み入れられることに期待感を示した。中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」については「アフガンを素通りしている」と不快感を表明した。
 アフガンとイラン、インドの3カ国は、内陸国アフガンとチャバハル港を陸路で結ぶ貿易輸送回廊を整備する合意文書に調印している。アンディシャ氏は、回廊の鉄道整備について、「アフガンは鉄鉱石や石炭など多くの天然資源に恵まれている」ため、「鉄道が完成すれば、アフガンは重要な国になる。インド太平洋戦略の一部であってほしい」と述べ、日本に支援を求めた。
 その上で、こうした経済開発が、イスラム原理主義勢力タリバンへの市民の支持を弱め、タリバンを和平交渉の場に出させることになるとの認識を示した。
 一方、構想の主要事業である中国・パキスタン経済回廊(CPEC)への参加を中国から求められているのに、一帯一路はアフガンを通っていないとし、「パキスタンが重要な受益者となる事業の一部になってもうれしくない」と強調。CPECが印パ両国の紛争地であるカシミール地方を通ることから「どちらかの味方もしたくないし、インドはアフガンの親友でもある」と述べた。(岩田智雄)

産経新聞 2018.3.1

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