先住民文化

「おぎん」: 日本民族の精神的岩盤を描いた芥川作品

ここに紹介する芥川龍之介作「おぎん」は、江戸時代初期の長崎キリシタンの「転び」を扱った小品である。近年、芥川の作品が英語による文学の世界で、注目されているという。そのいわれは、今一つ納得がいかないが、この傾向は決して悪いことではない。思う…

ラサとククノール(青海湖)にまつわる伝説

現在中華人民共和国と呼ばれる支那の西域の話しである。西域には大きな砂漠が2つあり、モンゴルに近いゴビ砂漠、さらにその西の中央アジアにあるタクラマカン砂漠である。その中間地帯はあまり馴染みがないかもしれないが、モンゴルとチベットをつなぐ高原地…

興味深いアイヌ昔話

はじめに 久しぶりに、記事を書きます。ここのところ、アイヌ関連の文献を暇に任せてよく読みます。アイヌ民話には特に、興味を持っています。それは一言で言えば、先住民と、場合によっては征服者ともなる渡来人とのせめぎあい、あるいは協力関係などがうま…

宮沢賢治の「なめとこ山の熊」

■ はじめに 宮沢賢治、傑出した詩人だと思う。私は大学生だった頃、賢治の作品を何度も読もうとした。しかし、そのたびに納得のいく理解に到達せずに終わった気がする。「春と修羅」という詩集がそうであったように、小学生の頃から読んだいわゆる彼の「童話…

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