改めて、岩屋防衛相の更迭を要求する

 昨年(2018年)10月に当ブログで「岩屋防衛相の更迭を要求する」という記事を書いた。安倍首相が、自民党幹事長選挙の直後の改造人事で行った人事で、防衛大臣に白羽の矢が立ったのが岩屋氏だったが、就任直後に早くも、韓国から国際観艦式に旭日旗を掲げることにいちゃもんを付けられ、曖昧な対応に終始し、心ある国民の反感を買っていた。
当時、確かに「更迭」を声高に主張する声は、あまりなかったが、今回シンガポールで開かれた防衛相国際会議での韓国に対する岩屋防衛大臣の言動は、一気に「更迭」要求へとつき進む事になった。その言動を取り上げたのが下記の記事である。
岩屋毅氏は、強面の顔をしているが、政治信条から見ると、日本国家の安全保障の担当を任せられる国士ではなく、旧タイプの政治家に過ぎないのである。安倍首相の任命責任が問題になって然るべき状態である。東アジアの安全保障が風雲急を告げている今日、一刻も早く彼は更迭されるべきである。


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課題棚上げで「未来志向」 岩屋防衛相、戦略なき中韓との会談
2019.6.1 21:43


「アジア安全保障会議」に臨む韓国の鄭景斗国防相(左)と岩屋防衛相=1日、シンガポール(共同) 

 岩屋毅防衛相はシンガポールで開かれたアジア安全保障会議に合わせ、中韓両国の国防相とそれぞれ会談し、防衛交流の強化や再開をアピールした。ただ、中国とは尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺海域での領海侵入、韓国とは自衛隊機への火器管制レーダー照射という看過できない課題が未解決のままだ。安易な融和姿勢は国内外に誤ったメッセージを発信しかねない。
■「抑制」気配ない中国
 「年内のできるだけ早い時期に訪中を実現することで一致をみた」
 岩屋氏は中国の魏鳳和国防相との会談後、記者団にこう明かした。防衛相による中国訪問は日中関係の悪化を受けて平成21年3月を最後に途絶えているが、岩屋氏はかねて訪中したい意向を公言していた。
 しかし、安全保障面で中国が抑制する気配はない。日本にとっても重要なシーレーン海上交通路)である南シナ海では国際法を無視して人工島の軍事化を進めている。尖閣諸島をめぐっては1日、中国海警局の船が領海外側にある接続水域で51日連続で確認され、過去最高記録を更新した。
 中国海警局は昨年7月に中央軍事委員会の指導下にある中国人民武装警察部隊編入され、事実上軍隊の一部となっている。岩屋氏は中国の海洋進出に懸念を表明したと記者団に語ったが、「今回の主眼は日中防衛交流の活性化だ」と強調し、直近の尖閣周辺の動きを提起したかどうかについては明言を避けた。
■韓国に秋波、30分会談
 一方、岩屋氏が意欲を示していた韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相との正式な会談は見送られた。レーダー照射問題をめぐり日本は再発防止を求めてきたが、韓国は事実を認めず、自衛隊機の飛行を「低空脅威飛行」と非難してきた。事務方の調整でも折り合わず「会っても建設的な議論にならない」(防衛省幹部)と判断した。
と秋波を送り、約30分の非公式会談に臨んだ。レーダー照射問題は双方が従来の主張を繰り返し、平行線に終わった。岩屋氏は記者団に「話し合って答えが出てくるという状況ではない。未来志向の関係を作っていくために一歩踏み出したい」と述べ、今後は関係改善を優先する考えを示した。
 中韓に非がある重大な課題を棚上げして融和に転じれば、相手から侮られるだけでなく同盟国や友好国の信頼をも失いかねない。何より自衛隊員の士気低下が懸念される。(石鍋圭)

Source: Sankei News https://www.sankei.com/politics/news/190601/plt1906010031-n1.html

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(補足)

岩屋毅防衛大臣の経歴は、wikipediaに詳しい。これまで、あまりライトを浴びてこなかった政治家であることは間違いないので、ぜひここを覗いてみることをおすすめする。一言で言えば彼は、所属政党を何度か替えたのち自民党に復党したが、ヤクザ的な親分・子分関係が厳然として生き続けている自民党の体質に染まっていないということだ。それは悪いことではない。政治家は一人ひとりの主張を持つことが本分だからだ。しかし、彼の場合、主義主張の中心軸がはっきりと読み取れないし、ちょって微温い「戦後民主主義」を基本的に是としているのが残念だ。
私としては、彼の受動喫煙問題に対するスタンスは評価したい。つまり、日本では、ファッショ化を完成させつつある「禁煙運動」に個人の自由を尊重する立場からこの運動を批判しているのだ。彼の政治心情の良い面が出ているといえるだろう。
さて、防衛大臣に昨年の9月に就任したのだが、またこの9月に内閣改造が行われる。そこで岩屋氏が現職にとどまる可能性は極めて少ないはずだ。(8.05.2019)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E5%B1%8B%E6%AF%85

 

 

(補足-2)

岩屋氏は、当然のごとく昨年の改造人事で解任された。それはいいとして、令和2年元旦になって、「やっぱり...」と思わせるニュースが、下記のごとく、波紋を広げている。私は、一昨年の防衛省任命の時から、「これは間違いの人事だ」と感じていた。私はそのようなとき喉で感じるのだ、ビリピリと...感じるのである。

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岩屋前防衛相、中国側の寄付否定…100万円は「謝礼」

読売新聞オンライン

2020/01/04 13:22

 カジノを中核とした日本の統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件で、中国企業側から100万円の提供を受けたと指摘されている5人の衆院議員側のうち、前防衛相の岩屋毅氏(62)(自民、大分3区)が4日、大分県別府市で記者会見を開き、「中国企業から寄付を受けたことは一切ない」と否定した。

 関係者によると、中国企業「500.com」側は東京地検特捜部に対し、各議員側に衆院選の「陣中見舞い」名目で、2017年9~10月に100万円ずつを提供したと説明。岩屋氏への資金は、中村裕之氏(58)(同、北海道4区)に提供した計200万円の中から、中村氏が岩屋氏に寄付することになったという。

 実際、岩屋氏が代表を務める自民党支部政治資金収支報告書には、中村氏が代表の自民党支部から17年10月、100万円が寄付されたとの記載がある。

 この100万円について、岩屋氏は会見で、「17年8月に北海道で開かれた同僚議員の政治資金パーティーに講師として出席した際の謝礼だった」と説明。岩屋氏はパーティーを主催した議員の名前を明かさず、「中国企業から何かを頼まれたことも、便宜を図ったことも一切ない」と話した。

 一方、中村氏も4日、北海道余市町で報道陣の取材に応じ、「500」社側からの現金受け取りについて「まったくない」と全面的に否定した。岩屋氏の自民党支部への100万円については、「自分自身の判断で寄付した」などと述べた。

 

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